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  • 寺報「妙乃見山」 投稿日:2024年09月01日

    9月1日発行 寺報「妙乃見山」

    さて今月の妙乃見山はこちらです。

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    今月の法話 善き友がすべて

    相川大輔
    八月二十二日は、当山の盂蘭盆会施餓鬼水向供養法要で大勢の皆様とともに法華経読誦と唱題の修行を行うことができました。
    大勢での修行と申しますと、日蓮宗には「僧風林」という、小学四年生から中学三年生までの各寺院子弟のための修行機関があります。近畿では京都の本山にて、夏休み中の一週間泊まり込みで修行を行います。
    私の小学生の息子も昨年に続き今年も僧風林のお世話になりました。
    僧風林では、朝のお勤めから始まり、訓話や法要式の練習、書道、読経や座学を修め最終日に子供達のみで模範法要が行われます。
    この僧風林で十六人の仲間とともに息子も多くのものを得ることができたようです。特に何ものにも代えがたいのは「修行仲間との絆」です。
    実は僧風林修了後に自坊のお盆の棚経まいりがあるのですが、息子自ら私と一緒に棚経まいりをしたいと言ってくれたのです。話を聞くと、僧風林の仲間が棚経まいりをしていると聞いたので自分もやってみたいとのことでした。
    息子の言葉を聞いて、お釈迦様が説かれた「善知識(善友)」のことが思い起こされました。
    ある時、阿難尊者がお釈迦様に
    「善き友がいること、善き連れがいること、善き仲間がいることで、仏道の半分が成就されます」
    とお話しました。するとお釈迦様は阿難尊者に
    「阿難よ、そのように言ってはなりません。阿難よ、なぜなら、善き友がいること、善き連れがいること、善き仲間がいることで、仏道のすべてが成就されるからです」
    と応えられたのです。
    仏道修行において、いかに修行仲間が大切であるかというエピソードだと思われます。
    今回の息子の棚経への思いは、親や他人に言われたからではなく、まさに善知識(善友)がいて、彼らの善き言動に感化され、自然に生じたものだと言えるでしょう。