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星のたより星のたより

  • 寺報「妙乃見山」 / その他 投稿日:2024年11月01日

    11月1日発行 寺報「妙見乃山」

    さて今月の妙見乃山はこちらです

    1021妙乃見 山11

    [ピックアップ記事] 今月の法話

    『蚊』

    詠裡庵
    この夏は記録更新を続ける暑さの毎日でした。また特に線状降水帯による記録的な豪雨が続きました。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
    今までにないことといえば、蚊が非常に少ない夏でした。例年だと、蚊取り線香をつけたりしますが、必要がありませんでした。
    雨が降らないので、蚊の生育する水たまりがなかったためかもしれません。
    そこで蚊について少し調べてみました。
    蚊は水中に産卵するので水たまりが必要ですが、川のように水の流れがあったり、池でも噴水などで水紋があると産卵には適さないそうです。産卵すると二日後にはボウフラになり、一週間後にはオニボウフラになって成虫になります。
    ボウフラが生きるためには、彼らよりもっと小さい水中の微生物をエサにします。浮いたり沈んだりを繰り返しながら気楽に生きているように見えますが、金魚などの水中の動物にとっては格好のエサとされ、成虫になって空中を飛ぶことができないものも少なくはありません。また成虫になっても小鳥などに狙われたり、人間の身体に止まって血を吸うときも叩きつぶされることもあるでしょう。そう考えると何か同情したくなる気もしてきます。
    私は夏にしか蚊はいないものと思っていましたが、冬の厳しい寒さの中でも成虫で生きている蚊がいるそうです。部屋の片隅で寒さに耐えているのですが、寒いので動くことができずじっとしているようです。
    熊が冬眠しているような状態なのでしょうか。以前部屋にストーブを入れたとき、そんな蚊が飛んできたことがありました。また卵で越冬し、温かくなった春に成虫になって飛び回る蚊もいるそうです。
    やがて訪れる冬。暑い夏の後だけに寒さが身に応えそうです。自然環境の激変は蚊だけではなく、私たちにも襲いかかります。この先地球はどうなっていくのか、他人事ではなくだれもが真剣に取り組んでいかなくてはなりません。