今月の法話
吉日(きちじつ)
新實信導
何か物事をはじめるのに物事がうまくいきますようにと私たちは少しでも縁起の良い日を選んでしまう。大安吉日、思い立ったが吉日、よく耳にする言葉であるが、この縁起のよい日が吉日と呼ばれている。そもそも吉日とはどういう日なのか、「きちにち」「きつにち」とも読むが、縁起がよく、何かをしたり始めたりするのに最適な日と言われている。また、吉日には複数の種類があり、意味だけでなく年間で訪れる日数なども異なる。・大安( たいあん) 。カレンダーでよく見かけるが、大安を含む六曜の起源は古代中国の占いだそうだ。これらは日付の良し悪しを表すもので、縁起が良いとされている日を選び祝い事を行って親しまれてきた。大いに安しの略。・一粒万倍日( いちりゅうまんばいび) 。宝くじ売り場でもよく見かけるが、一粒まいた籾( もみ) が立派に成長して万倍の稲穂になるという日。しかし良いことだけでなく、悪いことも万倍になるという恐ろしい日でもある。注意が必要。・天赦日(てんしゃにち)。年に五回、もしくは六回あり、天の神様が罪を許してくれる日。何事をするのにもよい日だとう。
これよりも最上の日がある。日蓮大聖人は、ご信者である四条金吾殿にあてたお手紙に「八日というのはお釈迦さまの御降誕の聖日である。その日には三十二の不思議な現象があったと伝えられている。
① すべての草木に花が咲き実を結だ。
② 大地からさまざまな宝が涌き出でた。
③ 雨も降らないのに田畑に自然に水が涌いた。
④ 夜が昼間のように明るくなる。
⑤ 三千世界のどこにも悲嘆の声を聞かなかったと。
このように、いずれもめでたい瑞相ばかりであった。それ以来、今日に至るまですべて吉事は八日を選ぶことになっている」と。
今月八日はお釈迦さまのご誕生日。この吉日にお寺にお参りして手を合わせてはいかがでしょうか。是非お釈迦さまの功徳を頂戴してもらいたいものです。