能勢妙見山は北極星の神様「妙見大菩薩」様を祀る霊場です。北極星は天空に浮かぶ不動の星であることから“道を究めんと望む者に、道を指し示す”と言い伝えられ、これまで多くの文化、芸能に関わる方々の参拝をいただきました。
人間性や地域の豊かさを育む様々な芸能や文化が、より振興し、時代とともにますます発展することを願い、これからも芸能文化を担う方々のご参拝の受け入れる他、さまざま振興の機会を作るべく尽力してまいります。
芸能の振興を願って
令和元年9月15日
能勢妙見山は北極星の神様「妙見大菩薩」様を祀る霊場です。北極星は天空に浮かぶ不動の星であることから“道を究めんと望む者に、道を指し示す”と言い伝えられています。
特に、妙見大菩薩の「妙」という字は美しく清らか、「見」は姿形を意味することから、「妙見」は霊妙なる美しい姿をあらわすと考えられ、古くから歌舞音曲を志す人々に信仰されてきました。
江戸期には歌舞伎・浄瑠璃の脚本作者の近松門左衛門や、花柳界・芸能界の三代目中村歌右衛門や四代目中村歌右衛門などたくさんのかたの参拝をいただきました。大阪心斎橋の歌舞伎座「角座」の櫓(やぐら)も妙見さんのご加護を願って矢筈紋が掲げられたと言われています。今も當山には四代目中村歌右衛門が願主となって建てられた浄水堂などが残っています。
近代になりますと、各界の芸能関係のご参拝も増え、昭和初期から中期頃には宝塚歌劇の大女優「星組」の水原節子さんもご祈願にこられ米国公演も大成功をおさめました。近年では芸能の幅も広がり、宝塚音楽学校、現代アートや音楽、舞台芸術など様々な分野の方にご参詣いただいております。
一方で、現代は経済優先の考えの広がりとともに、地域の文化が顧みられなくなり、芸能を楽しむ心の余裕がなくなり、多様性ある芸能の文化がだんだんと狭まってきているように感じます。
能勢妙見山は、人間性や地域の豊かさを育む様々な芸能や文化が、より振興し、時代とともにますます発展することを願っています。
四代目中村歌右衛門ご寄進の浄水堂浄水堂
根巻きには「四代目中村歌右衛門」の銘が刻まれる
江戸時代の心斎橋「角座」の様子。櫓には能勢妙見山の矢筈紋が見える。
出典:摂津名所図会
江戸時代の妙見山の様子。花魁や役者が大勢参詣したという。
出典:摂津名所図会
宝塚音楽学校の生徒の参拝